――競争と抗争のあいだにあるもの
現代社会では、争いはしばしば否定的に語られる。
分断、対立、炎上、スキャンダル。
私たちは「もっと穏やかであるべきだ」と繰り返し言われる。
しかし一方で、人は驚くほど「戦い」に惹きつけられる。
政治的対立。
企業間の競争。
思想の衝突。
スポーツ。
芸能スキャンダル。
健康志向とジャンクフード。
集中と堕落。
規模の大小を問わず、人は何かと対峙し続けている。
この現象は、単なる未熟さや攻撃性の問題なのだろうか。
あるいは、もっと構造的な理由があるのだろうか。
まず整理すべきなのは、「競争」と「抗争」は異なるという点である。